レビュー:リンゴ・スター秘蔵写真集『Photograph』電子書籍版(『Peace & Love』展も紹介)

リンゴ・スター秘蔵写真集『Photograph』電子書籍(e-book)版が2013年6月12日からiBookstoreで1300円にて販売開始しています。日本時間6月12日0時過ぎには購入できたので日本が世界で一番早く解禁されたのかもしれません。iPadにダウンロードして閲覧します。日本語版は無いようです。音声や映像には英語字幕も付属しません。
http://smarturl.it/ringophotograph
iPadを手にするリンゴ
iPadを操作するリンゴ

'Photograph' ebook by Ringo Starr HD from Genesis Publications on Vimeo.

今年の12月にリンゴの直筆サイン入り紙書籍版(2,500冊)も発売されます。紙書籍の方が収録写真が多く、装丁も豪華です。リンゴは数年前から「サイン依頼には応じない」と宣言していますのでサイン入りは貴重です。また、電子書籍版発売当日にロサンゼルス(アメリカ)のグラミー博物館でリンゴがプロデュースする『Ringo: Peace & Love』展が開始されます。これら電子書籍・紙書籍・イベントは三位一体となっています。
http://www.grammymuseum.org/on-display/special-exhibits/ringo-peace-love

電子書籍版『Photograph』は各写真にリンゴがコメントを添える形で進んでいき、その多くが音声コメントです。全9章149ページで構成され、各章の先頭ではリンゴが語る20秒前後の映像が流れます。

章構成は以下です。
  1. You Will Be A Drummer 誕生~少年時代
  2. On The Road Of Happy Drumming ビートルズ加入まで
  3. Beatle Buddies フランスでの様子を中心としたビートルズ初期
  4. The Song Brothers ビートルズ初期のユニークな写真
  5. A Hard Day's Night 同名の映画撮影中の様子
  6. Wow,We're In America アメリカでのバカンスの様子
  7. Far Out 世界各国での様子(日本での写真も)
  8. A Musical Family 友人や家族の写真
  9. Peace & Love 同名の展覧会で展示している衣装
リンゴ本人が撮影した(リンゴでしか撮影できなかった)写真も多く、確かにどれも珍しいものですが、ビートルズの演奏面についての新情報はありません。
楽器の写真もほとんど無くリンゴのドラム(それも遠景)以外はジョンが持つアコースティックギターが一部映っている程度です。

日本人として興味が沸く写真は以下のようなものです
  • ビートルズ日本公演滞在時のホテルからリンゴが撮った写真(2013年来日時に撮った写真と似ている)
  • ビートルズ日本公演初日に着用した衣装
  • 日本版「イエロー・サブマリン/エリナー・リグビー」シングルレコードのジャケット
今回の電子書籍を見ると『Ringo: Peace & Love』展には多くのビートルズ時代の衣装が展示されているようです。前述の日本公演の衣装以外にも、「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のミリタリールックやルーフトップコンサートでの赤いコート、など。
どうやらこの電子書籍は展覧会や紙書籍の宣伝が主目的のようで、単体で見ると消化不良感は否めません。たとえばビートルズのコピーバンドだったら衣装を参考にしたいところですが、正面の写真が収録されているだけで拡大表示可能な範囲も狭く、詳細や背面の様子はわからないままです。展覧会に来いということでしょうか・・・。電子書籍中でもところどころで三位一体を強調しています。

以下、『Ringo: Peace & Love』展の様子です。




デビュー当時の襟なしスーツ
背面は見えない・・・
ルーフトップコンサートで着用

今回のリリースに際しリンゴはデイリー・ミラー紙のインタビューに応じています。
Ringo Starr: I like to think the Beatles would have had a reunion
http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/video-ringo-starrs-unseen-photos-1942620

ここで、「ビートルズのメンバーが全員生きていたら再結成しただろう」と語っています。この発言自身はリップサービスだと思いますが、今回の電子書籍を見てもリンゴは以前よりビートルズを積極的に取り上げるようになったと感じました。ビートルズ時代の自作曲「Octopus's Garden」を題材とした絵本を今年出版するなどという話もあります。数年前まではビートルズの事ばかり聞かれて現在の自分を無視されることが嫌だったと想像していましたが心境の変化でしょうか。

これを機にビートルズ関連の作品のリリースが加速することを期待します。

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