Hofner HCT 500/1 Part1(入手編)


僕が甲虫楽団で使用しているヘフナー(Hofner)社製ベースについて3回に分けて記します。
まずは入手編です。

経緯

ビートルズのアルバム「Let It Be」でポール・マッカートニーは一時期使用を中断していたヘフナー社製ベース、「500/1」を再び使用しています。
独特の弾力がある音色が特徴的で甲虫楽団で同アルバムの曲を演奏する度に同ベースの必要性を感じていましたが、ポール所有器に仕様が近いとされるビンテージモデル(「V62」)は20万円台後半でとても手が出るものではありませんでした。

金額の絶対値も問題ですが、それがどうも楽器としての価値と釣り合わない気がしていたのです。
ポールが500/1を購入した動機の一つとして「安価だったから」があると聞きます。
それが所有者が世界的に有名になってしまったばかりにプレミアが付くことになりました。
適正価格はせいぜい10万円台半ばではないでしょうか。

そこで僕が目を付けたのが同社のHCT(Hofner ConTemporary series)シリーズの500/1です。
ヘフナー社はドイツ発祥の楽器メーカーですが、HCTシリーズは中国で生産しています。
ボディの構造がドイツ製と異なる(HCTにはセンターブロックがある)ようですが、全体の見た目はほとんど同じですし、ピックアップはまったく同じものを使用していると聞きます。
そして何より安い。ドイツ製の半値以下です。本格的な購入検討に入りました。2010年の梅雨のころのことです。

発見

とはいえ新品は10万円程度するので、中古での購入を目論みました。

ポールの仕様はネックバインディング(ネックの白い縁取り部分)が無いのですが、
HCTにはあるのでした。しかし、ごく初期(2005年~2006年ごろ?)のHCTには無かったようなのでそれを探していました。
※その後2011年になって日本限定仕様としてネックバインディングが無いものが発売されました。

ネックの両脇の白い部分がバインディング

オークションでの相場はバインディングあり=4~5万円、無し=6万円というところでした。6万円出す覚悟はありましたがどれもボディの色の濃い部分が黒過ぎる気がして踏ん切りがつかずにいました。

なかなか良いものが無いので検索対象を世界に広げてeBayを見ていたところ、色の薄さがいい感じで(出品者もそう褒めていた)ところどころパーツがポール仕様に交換されているHCTがハードケース付で495.5ドルで出品されていました。残念ながらネックバインディングがあるタイプでしたがそれを差し引いても非常にコストパフォーマンスが高く感じました。
すぐに入札しようと思いましたがアメリカ在住の出品者は海外発送を拒否していました。

そこであきらめずに、きっとあるだろうと思って探したらこういったケースのために転送代行サービスを行っている会社がありました。商品の発送先を同国内のその会社のオフィスに指定して、届き次第日本の本当の宛先に転送してもらうという段取りです。

配送料が安い日本の宅配便業者で送るためには梱包後の3辺の合計が160cmに収まっている必要がありましたがそこはコンパクトなヘフナーのベースのこと、クリアしていると考えました。
転送料は45ドル前後の見積もりでした。

なお、出品者(アメリカ東海岸)から転送会社(アメリカ西海岸)への国内配送料は55ドルでした。
その他、調べた結果以下のことがわかりました。

  • 楽器の輸入には関税がかからない
  • 荷物を受け取ったその場で日本の消費税を支払う必要がある

すべてを考慮してもやはりコストパフォーマンスは高いと判断できました。ここで満を持して入札。他に競合も現れずすんなり落札できました。

転送

出品者への支払はオンライン決済システムPayPalを使用します。
直接クレジットカード番号や口座番号をやりとりすることなくPayPalのシステムの仲介で送金できます。最終的にはPayPalの手数料が上乗せされてクレジットカードで引き落とされます。

PayPalの親会社はeBayですから、連携はとてもスムーズです。
決済することで自動的にPayPalの登録情報が配送先として出品者に通知されます。
そのため、今回はあらかじめ転送会社の住所を指定しておく必要がありました。

結局、入札から送金まで、一度も出品者と直接言葉を交さずに行うことができました。
とはいえ、配送直前に「ピックガードを付けた状態で送るか?」という質問を受け取りましたが。
アルバム「Let It Be」の時点ではポールのベースにピックガードが付いていませんでしたので、
「付けずにケースに入れておいてください」とだけ伝えて、出品者とのやり取りは完了しました。

「Let It Be」時点のポールのヘフナー


出品者から転送会社まではちょうど1週間、転送会社から自宅までは4日間、成田に着いた翌日に届きました。2010年7月30日のことです。後半の旅程の方が安価で期間も短いのですから日本の宅配便業者は優秀だと思いました。
実はサイズが160cmを超えていて本来宅配便の適用外になってしまうのですが、宅配便業者の配慮で宅配便として扱ってもらえました。
その分、サイズ超過手数料を転送業者に支払うことになりましたが・・・。


まとめ

落札から入手までの期間:12日間
かかった費用:58,597円
落札金額48,951円(商品44,000円+アメリカ国内配送料+PayPal手数料)
転送料7,446円 (サイズ超過手数料込)
消費税2,200円 (44,000円の5%)

パーツがポール仕様に交換されていることを鑑みると日本で買うのより1万円以上安いという印象です。
その後付属していたハードケースが日本のオークションで1万円以上で売れたので
(eBayで65ドル程度で落札できるものだって言って出品したのに・・・)
さらにお得に入手できたことになります。

第一弾はここまで。
第二弾では交換されていたパーツと、その後施した改造について記します。
 

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1 コメント

  1. う~、早く続きが読みたい!
    4001 C64 MOD についても書いて下さい!

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