2016年8月29日に公開された公式映像↓
ビートルズ、最後のライヴ(ローリングストーン日本版)
今日が最後の公演であることは事前にもステージ上でも明かされませんでした。当の本人達は自覚していたようで、憑き物が落ちたようにサバサバとしています。ジョン・レノンとポール・マッカートニーはステージ上にカメラを持ち込みました。記念撮影ということでしょう。
ステージの途中でリンゴ・スターもドラムセットから降りて来て4人で観客を背景に集合写真を撮ったとも言われていますが、その写真の存在は確認されていないようです。
ポールは広報担当のトニー・バーロウ(2016年5月14日死去)に頼んで公演を録音させたそうです。残念ながら最後の曲Long Tall Sallyの途中でテープが尽きてしまいました。この音源はその後流出しています。
このテープのオリジナルはポールに渡され、コピーをトニー・バーロウが所持していたとのことですが、今年のインタビューでポールはこのテープを聞いたことが無いと発言しています。
ポール・マッカートニーが語るライヴ前のサウンドチェック・ショー:「これはマッカートニー族の儀式だ」(ローリングストーン)
来月公開される映画『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』にこの音源は使用されていないのでしょうか。さすがにそれは無いと思いますが・・・(追記:使用されていませんでした!)。前述の音源の流出元は不明ですが、この様子だとポールに渡ったはずのテープかもしれません。
ビートルズがツアーを辞めた理由は諸説ありますが、1966年に立て続けに起きた以下のようなことが引き金になったと言われています。
- 会場の巨大化に追従できない貧弱なPA環境、さらに観客の歓声により自分達の演奏が聴こえない(これは以前から)
- 日本公演では行儀良い聴衆のせいで例外的に自分達の演奏が聴こえその出来の悪さに愕然とした
- フィリピンではイメルダ大統領夫人の食事会を意図せずすっぽかすことになり命からがら国外脱出
- ジョンの「ビートルズはキリストより有名」発言をきっかけにビートルズ排斥活動が過熱化。公演中に爆竹が投げ込まれる事件が発生
- 最後の北米ツアーのチケットの売れ行きが芳しくない(前述の発言も影響)
- 最後の北米ツアーに先立って発売されたアルバム「Revolver」のサウンドがステージで再現できない
この日をもってツアーは終了、ツアーのブッキングが仕事の根幹だったブライアン・エプスタインは活躍の場を失うことになり翌年の悲劇的な死につながっていきます。それはビートルズの分裂を加速することになりました(今年はこの構図とSMAPを重ね合わせる人が多いです)。
キャンドルスティック・パークは取り壊され現存しません。
取り壊し直前の2014年8月14日にポールは同所でコンサートを行っています。くわしくは→こちら
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