※『BACKBEAT』関連記事まとめはこちら→https://blog.kouchu.info/search/label/BACKBEAT
舞台『BACKBEAT』を通じてビートルズに興味を持たれた方に向けたビートルズ鑑賞ガイド第三弾にして完結編、「演奏」編です。
楽器
ジョン・レノンの楽器と言えばRickenbacker(リッケンバッカー)の小ぶりなギター、325モデルを思い浮かべる方が多いと思います。ハンブルク時代から使用し始めました。デビュー後、アメリカ進出のタイミングで新調しています。![]() |
1本目 |
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1本目のパーツを交換し、色を塗り替え |
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2本目 |
『BACKBEAT』のジョン役、加藤和樹さんが使用したのは同じRickenbackerのギターではあるものの325ではなく620という普通のスケールのギターです。弾き難さを嫌ったのかもしれません。小ぶりなボディで女性にも人気で、椎名林檎さんが使用したり詞の中に登場させたりしたことでも有名です。色は限定色のRuby(ルビー)で樹脂製のパーツ部分が鏡面加工されているタイプです。『BACKBEAT』の舞台上で照明に反射してまぶしく感じた方もいると思います。
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Rickenbacker 620 Ruby Mirror |
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1本目 |
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2本目。世界で最も有名なベースのうちの1つ |
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現代に至るまで2本目を使用(写真は2018年日本公演) |
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Ignition Bass(左用) |
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Vintage 62 World History Premium 3rd |
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TokaiのES-148S。JUONさんが使用しているのはこれの左用か? |
ジョージ・ハリスンはリードギタリストということでギターをとっかえひっかえ使っていましたが、ハンブルク時代というとResonet Futurama(レゾネット・フューチュラママ)が思い浮かびます。
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ジョージが弾いた現物 |
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GUILD JETSTAR |
スチュアート・サトクリフが使用してたベースは後のポールのベースと同じメーカー、Hofnerの500/5です。
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ポールのベースと共存することも |
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復刻モデルの「Reeperbahn」 |
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Epiphone Rivoli |
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ピート使用器に近いとされるPremierのドラム |
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上口さんはこの写真のピートを参考にした? |
鈴木壮麻さんのTwitterにバンドセットの写真が投稿されました。
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鈴木壮麻さんのTwitterより |
以上の楽器解説は『BACKBEAT』の報道機関向け写真を見て書いているのですが、実際のステージには他の楽器も登場しています。『BACKBEAT』の演出を担当している石丸さち子さんのTwitterに用意されている楽器の写真が投稿されました。
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石丸さち子さんTwitterより |
ビートルズの楽曲の生演奏
ビートルズの楽曲を人前で演奏することを主目的とするバンドは世界中にありますが、日本にはとくに多いと思います。演奏や歌の分担をビートルズ本人達と一致させるスタイルがほとんどで、そういったバンドを日本では「コピーバンド」と呼んでいます。演奏内容や分担をあまりビートルズに寄せない場合は他のコピーバンドと区別する意図で「カバーバンド」と自称することもあります。
つまり、コピーバンドは『BACKBEAT』のようにビートルズを演じているわけですが、どの程度なりきるかによって流派が異なります。まず、演奏内容については原曲のミスのレベルまで再現にこだわるバンドもいます。演奏の次は楽器を本人に似せ、次は衣装・・・とエスカレートしていきます。ポール役が左利きで演奏するかどうかが大きなターニングポイントです。『BACKBEAT』のJUONさんのように本来右利きで演奏してきたのに左利きに転向する人も多いです。楽器も買い直しです・・・。
さらにはカツラやメイクまで施してMCも英語で行うというバンドまでいます。ここまでくると「トリビュートバンド」と定義する方が一般的で、海外にはこのタイプのバンドが多くプロで活動しており、来日公演を行うこともしばしばです。直近では2019年9月~10月に『LET IT BE』というショーが来日公演を開催します(くわしくは→こちら)。
また、ビートルズは活動時期によって音楽性を大きく変えていますので、 各時期に特化したバンドも多いです。革ジャンに身を包んでビートルズがデビューする前の曲を中心に演奏するバンドもあります。そういったバンドであれば『BACKBEAT』ファンの方もとっつきやすいでしょう。
日本で一番有名なビートルズコピーバンドは「The Parrots(ザ・パロッツ)」です。六本木のライブハウス「Abbey Road(アビーロード)」に連日出演しており、満席になることも多いです。海外のアーティストが日本公演の際に同店を訪れることが定番になっていることから、どれだけのステイタスがあるか伺えます。ポール・マッカートニーの来日公演の際にポールの妻の誕生日パーティーに招かれて演奏したことまであります(当時と今のメンバーは一部異なります)。
パロッツは演奏・楽器・衣装の再現度はそこそこにとどめ、プロとしての高次元でのクオリティの維持とビートルズの楽曲のエッセンスを表現することに重点を置いているように見えます。
東京圏ではパロッツの他に2~30名ほどビートルズコピーバンド界隈でプロ活動している人がいる印象です。その中にはメジャーシーンでの活躍経験がある方も多く、廣田龍人さん(ジョン担当が多い)と伊豆田洋之 さん(ポール担当が多い)が筆頭です。そういったプロの方の演奏は説得力と迫力があり、きっとビートルズの曲の魅力を引き出してくれると思います。
日本ではアマチュアコピーバンドの発表機会も多いです。着席型で対象年齢層が高めのライブハウスでは月1回程度のペースで「ビートルズデー」などといったビートルズコピーバンドが出演するイベントが開催されたりします。昨今東京では下北沢のライブハウス『BREATH(ブレス)』がとくに精力的で、店外も含め様々なビートルズ関連のイベントを開催しています。店外イベントは入場無料の事も多く、直近では2019年7月6日/7日に下北沢音楽祭の一環として『しもきたスクエア「ビートルズマニアステージ」』を開催します。
その他、お店のスケジュールを確認いただければご予定の合うイベントもあると思いますので是非一度足をお運びください。アマチュアコピーバンドはビートルズの曲が好きというモチベーションだけでやっていますので、ビートルズの曲の演奏に興味がある方に見ていただけれは共感できる場面も多いと思います。
我々甲虫楽団はと言えば、ビートルズの中後期をターゲットにし、歌や演奏の分担はあまりビートルズを踏襲せず、楽器はそこそここだわり、衣装は雰囲気程度に留め、その分とことん音の忠実再現を追及するというポジションで活動しています。 『BACKBEAT』でビートルズ曲の生演奏に興味を持った方にいつか見ていただけることを楽しみにしております。
甲虫楽団からのお知らせ
令和初の6/29「ビートルズ記念日」(ビートルズが羽田空港に降り立った日に由来)
に甲虫楽団のワンマンライブを開催します。
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日時:2019年6月29日(土) 13:00開場、13:30開演、16:00終演予定
場所:Live House Johnny Angel(ジョニーエンジェル)
JR総武線 小岩駅 南口から徒歩30秒
http://johnnyangel.jp/
チャージ:一般1800円/学生1000円 ※後精算となります
※ドリンク別、別途ポップコーン代300円要
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ご予約はジョニーエンジェル様へ直接お問い合わせお願いいたします。
約4年ぶりの出演となる小岩ジョニーエンジェルでのワンマンライブです。
ホワイトアルバムに続き、現在イエローサブマリンとアビーロードの仕込みに入ってますので、それぞれの良いとこどりでお送りしようと思います。
そしてそして、「ビートルズ記念日」にちなんで久しぶりに日本武道館公演ナンバーからも数曲お送りする予定です。「BACKBEAT」で演奏された曲もあります!

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