書籍『ザ・ビートルズ:Get Back』ファーストインプレッション

※本書をすべて読んだ後の感想は→こちら

11月配信開始の新作映画『ザ・ビートルズ:Get Back』に連動した書籍が2021年10月12日に全世界同時発売されました。が、その1日~2日前には入手した人も出てきているようです。僕も前日に入手できたので第一印象を述べます。

シュリンクされている状態

帯を取った状態
 
裏側。日本版初回限定特典の説明の紙が乗っている

日本版初版限定ロビーカードは裏表紙に貼付

販売元のシンコーミュージックによるプロモーション映像。ルーフトップ・コンサート終了直後現地でポール・マッカートニーと会話した星加ルミ子さんへのインタビューなど

 

商品概要

 ¥ 8,800 (本体 8,000+税)
発売日:2021年10月12日発売予定
240ページ B4変型判(302mm x 254mm)ハードカヴァー仕様(上製本)
発売:株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント
 

目次

まえがき:ピーター・ジャクソン
序文:必要なものは ハニフ・クレイシ
登場人物
第1幕:トゥイッケナム・フィルム・スタジオ
第2幕:アップル・スタジオ
第3幕:屋上
あとがき:そのあとで起こったこと ジョン・ハリス

感想

ゲット・バック・セッションでのメンバー間の会話を録音したテープを時系列で書き起こしたものが主で、当時の写真やフィルムから切り出したシーンをちりばめています。

僕の基礎知識が乏しく、会話や写真に新事実が含まれているか判断できません(そもそもまだ全然読み切れていませんが)。この書籍を「写真集」と紹介している場合があるようですが(日本版の帯にも書いてある)、映画のフィルムから抜き出したものも多く、写真そのものにそこまで魅力があるようには感じません。ヘフナーの「BASSMAN」シールが鮮やかな緑色であることを確認できたのは収穫でした。

内容は完全に日本語化されていますが、 フォントや段落のデザインのセンスは30~40年前の書籍のようだと感じました。すべての言語版をヨーロッパで印刷しているようなのでそのせいかもしれません。なんとなく、何度も読み返しているとページが抜け落ちそうな気がします…。

 メインのビートルズの会話は文句無く面白いです。1969年1月の彼らにとって数年前の出来事をメンバー間で通じるあるあるネタのように語ることが多く、当時の彼らのホカホカの認識が垣間見えて非常に臨場感があります。一方、この後に起きる未来を読者は知っているわけで試行錯誤している彼らを見ていると歴史に干渉したくなる気持ちをウズウズ抑えながら読み進めていくことになります。

とはいえ、会話のニュアンスがよくわからないところが多いので、日本で制作された同種の書籍『ゲット・バック・ネイキッド 』と見比べたり、出典の音声を聴きながら読めると最良だと思います。

目次が第1幕~第3幕(ACT 1~ACT 3)と映画や演劇を思わせる構成になっています。映像版との連動があるかとおもいきや、映像版監督のピーター・ジャクソンによる本書のまえがきを読むとお互い無関係に制作されたようです。

内容は満足感ありますが、これまでに挙げた理由で現物の書籍としての魅力は限定的なので、この大きさ・重さ(2kg)・価格である必然性には乏しい気がします。将来に電子書籍版が安価で出たらその方がよいと思いました。

 
 

 

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