※2022年9月23日劇場公開『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』については別記事をご覧ください→レポート:映画『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』試写会 ネタバレなし/あり
ビートルズとインドの関係に焦点を当てた2021年イギリス制作のドキュメンタリー映画『The Beatles And India』日本語版『ビートルズとインド』が前後編に分割されNHK BS1で放送されました。2022年2月10日からはU-NEXTで視聴できます。
- 『ビートルズとインド 前編 出会い』2022年1月12日(水)午後11:00 2022年1月23日(日) 午前11:10 2022年6月6日(月)午後3:00 2022年12月26日(月)午後10:50
- 『ビートルズとインド 後編 蜜月と決別』2022年1月13日(木)午後11:00 2022年1月23日(日) 12:00(正午) 2022年6月7日(火)午後3:00 2022年12月27日(火)午後10:50
オリジナル版のイメージ |
良質なドキュメンタリー
ビートルズとインドの関係としてはジョージのインド音楽への傾倒とその後ビートルズ全員がパートナーを伴って瞑想修業に行ったことが有名です。本作はその両方を取り上げており、前編はラヴィ・シャンカル、後編はマハリシ・ヨギがインド側のキーパーソンとして扱われています。
しっかり日本語化
CS放送で繰り返し放送されているようなありあわせのドキュメンタリーかと想像していましたが、実際視聴してみるとしっかり作りこまれた良質な作品でした。さすがNHKが丁寧に日本語化しているだけあります。
この作品のために行われたインタビューは全て日本語吹き替えされています。ビートルズ本人の新緑映像/音声はありませんが、当時ジョージ・ハリスンの妻としてインドに随行したパティ・ボイドや世界一のビートルズ研究家マーク・ルイソンが積極的にインタビューに応えています(パティは声だけの出演)。マーク・ルイソンはビートルズ関連のドキュメンタリーに引っ張りだこですが、くだらない作品は出演を固辞するという気概がある人なので、その彼がお墨付きを与えた作品というわけです。
ビートルズ公式作品では無いが創意工夫あり
ビートルズ側が公式に参加しているものではないのでビートルズの音楽は全く使われておらず、ビートルズの映像や肉声もニュース映像からかき集めている感がありますが、少しでも良い素材を使おうとこだわっている様子が感じられます。ビートルズが滞在した現地を取材して、当時の映像/写真と現在の映像を同じ画角でオーバーラップさせる演出が粋でした。
難点を挙げるとすればインタビューに応えているのはインド側の人物ばかりで、当時のビートルズ側で登場するのは前述のパティ・ボイドだけだったのは残念でした。そのせいか、マハリシ・ヨギに感化されていく様子の掘り下げが不十分と感じました。ポール・マッカートニーやリンゴ・スターは無理だったとしてもドノヴァン(インド滞在中ジョン・レノンにスリーフィンガーを教えたことで有名 くわしくは→こちら)やマイク・ラヴ(ビーチ・ボーイズ)に話が聞ければかなり違っていたのですが。全体的にネタ不足の感が否めません。「ジョージ・ハリスンとインド」とテーマを絞った方が良かったかもしれません。
ビートルズ解散後の各メンバーとマハリシ・ヨギとのエピソードを取り上げているのは素晴らしいのですが、ビートルズ側の協力が得られていたらデヴィッド・リンチ財団との関係にも触れてポール・マッカートニーとリンゴ・スターが「With a Little Help From My Friend」を一緒に演奏する様子も使用できたと思います(このエピソードについては別記事をご覧ください→こちら)。
マジック・アレックス登場『ザ・ビートルズ:Get Back』との関連
本作にはマジック・アレックス(アレクシスマーダス)が重要な役割(セクシー・セディ事件)として登場します。『ザ・ビートルズ:Get Back』で彼に興味を持った人は本作を見るとより理解が深まると思います。ビートルズがインドに行ったのは『ザ・ビートルズ:Get Back』の1年前なので、ブライアン・エプスタインの死など共通するテーマも多いです。『ザ・ビートルズ:Get Back』最終盤にはインド滞在時の話や映像が登場します。
ちなみにマジック・アレックスは2017年に亡くなっています。
ジョン・レノンを心酔させた男 マジック・アレックス死去
どうすれば見られる?再放送やDVDは?
放送は終わってしまいましたが、今から見たい場合はどうすればよいでしょうか?。
日本向けのDVDが『ザ・ビートルズ・アンド・インディア』として2022年10月7日に発売されます。2022年9月公開の映画『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』に便乗してのことかもしれません。
日本語吹き替えだったNHK版『ビートルズとインド』と異なり音声は英語のようです。
英語版はBlu-rayも発売されていますが、通常日本では視聴できない規格なのでお勧めできません。
英語版のデザインは秀逸。日本向けDVDは?? |
NHKオンデマンド(放送後一定期間視聴可能)
放送後2週間以内でしたら有料動画配信サービス「NHKオンデマンド」からパソコン/スマートフォン/タブレットなどで視聴できます( 1話220円あるいは月額990円の「まるごと見放題パック」)。
「NHKオンデマンド」は、Amazonプライム、U-NEXT、GYAO!どの動画配信サービス内で契約してしまえば決済情報の再入力が不要で簡単です(←各サービスのリンクは直接『BS世界のドキュメンタリー』のページに繋がります)。こういった動画配信サービスの方がお茶の間のテレビで視聴しやすいというメリットがあります。動画配信サービスによって販売期限が異なるようです。
U-NEXTで独占見放題配信中(2022年2月10日~)
U-NEXTと契約していれば追加料金の必要無く視聴可能です。無料トライアルもあります。
https://video.unext.jp/title/SID0066386
ビートルズとインドの関係参考情報
ビートルズのインド訪問50周年、あなたが知らない16の歴史的トリビア(ローリングストーン)
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