ポール・マッカートニーがロンドンオリンピック開会式のトリとして登場し、ビートルズナンバーを披露しました。残念ながらリンゴ・スターやビートルズ2世たちの登場というサプライズはありませんでした。
PaulMcCartneyのツイッターに公開された写真 |
聖火が点った日本時間午前8時40分ごろ、娘のステラ・マッカートニーがデザインしたジャケット(袖口のボタンが五輪)に身を包んだポールが登場しました。ピアノに座ったポールはいつものバンドメンバーと「The End」の最後の一節を演奏した後(開会式の終わりだからでしょうか?)司会者から紹介され、おもむろに歌いだしたのは予告どおり「Hey Jude」でした。
(↓は後年公開されたオリンピック公式映像)
冒頭で数秒歌いなおしたように聴こえましたが後で見返してみると、演奏用に調整された音の系統が映像より遅れて放送され、会場に設置されたマイクが拾った音(こちらは映像に同期)と合わさってずれてしまったようでした。すぐに前者は切られたので、以降は明瞭さを欠く音になってしまいました。
ポールに先立って登場し、ビートルズの「Come Together」などを演奏したアークティック・モンキーズの音も明瞭さに欠けていたので何かトラブルがあったのかもしれません。
彼らが演奏する「Come Together」はiTunes Storeで購入できます。
この映像は世界中の何億もの人が見たことでしょう。これを機にビートルズが再評価されたら嬉しいです。それだけに前述の音声トラブルが残念です。ダイジェスト番組や映像パッケージのリリースなどで適切に再編集されると良いのですが。
アメリカのNBC系列で放送された映像はカット割りが日本で放送されたものと異なり「Hey Jude」の冒頭の音ズレが目立たちません。NBC系列は録画放送だったようなので放送前に修正したのかもしれません。
その他3Dの映像が存在し、そちらは音ズレが無いことを確認しました。その映像を見ると「And make it better」の歌いまわしに失敗しているのですが、日本の放送でズレた方を聞いてみるとそのようには聴こえません。ズレた方は別音源が放送されたのかもしれません。
この音声トラブルはソーシャルメディアやマスメディアでも取り上げられています。
ポール、8万人大合唱!機械トラブルで急きょ大合唱(スポーツ報知)
では「演奏直前に機材トラブルが発生。事前録音の音源が流れない状況だったが、顔色ひとつ変えず生演奏に切り替え」と報じています。「演奏直前」ということなら今回の状況とは別のようですが。
開会式の「ヘイ・ジュード」は“口パク”の予定だった?(産経新聞)
では「“口パク”で演奏することも予定されていたが、マッカートニー自身が生での演奏にこだわり、それを貫いたということらしい。どうやら、歌い出しの“音ズレ”は、この“口パク”用の音源が誤って流れてしまったために起きた」としています。
では「実は、口パクのおそれもあったが、とっさの機転でポールは生を貫いていたことが分かった。」としています。
すべての記事が事前録音があったという立場ですがニュアンスが異なります。
状況を整理すると以下のようなことが言えそうです。
- 会場ではズレていなかった(放送だけの問題)
- 映像にはバージョンがいくつかあり、音源のミックスも違う(ズレの度合いが異なる)
- 事前録音音源はあった(And make it betterの歌いまわしでわかる)
- ポールは事前録音音源に従わなかった
ロンドンオリンピックが閉幕しました。閉会式もビートルズ関連の演出が多かったですが本人や関係者の登場はありませんでした。リンゴ・スターの息子ザック・スターキーがThe Whoのドラマーとして出ていましたが。
3 コメント
どうでも良いんじゃね?
返信削除ご意見ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
削除コンサートと違って、こういう一発勝負勝負の本番でバックトラックを用意するのは当然です(突然楽器が壊れるかもしれない、当日朝風邪で声がでないかもしれないetc..)。それ自体をとやかくいうのはわかっていない人。実際ポールは生で歌っていたのだから、逆に「バックトラックは念のため用意したが、生にこだわった」ことの証左になった。
返信削除鐘の音が突然だったことでポールが段取りを間違えたことと、スタッフがバックトラックを流してしまったミスが重なったわけで、それくらい五輪の本番というのはプレッシャーがかかるんでしょう。