ジョン・レノンが紛失したギター 3億円で落札される

ジョン・レノンが紛失したギターが52年の時を経てオークションに出品され、2,410,000米ドル(約3億円)で落札されました。オークション主催者によればロック関係では史上最高額とのことです。落札者は明らかになっていません。

 
落札された瞬間の様子とオークション終了後の出品者のコメント↓


ジョン・レノンがビートルズデビュー直前の1962年9月10日(9日という説もあり)にジョージ・ハリスンとお揃いで入手したギブソンのアコースティックギターJ-160Eです。
このギターはすぐに作曲、レコーディング、ライブで多用されました。ビートルズ最初期の名曲はこのギターで紡がれたということです。しかし1963年12月のツアー中に紛失してしまいます(盗まれた?)。
紛失直前1963年11月25日のテレビ収録時の様子が写真や映像で残っています。


ジョンは翌年同機種を買い直したところからも、このギターにいかに愛着を持っていたかを伺い知れます。買い直した後もここぞという時はジョージのJ-160Eを借りていたので、紛失がよほど悔しかったと思います。
2代目J-160E
その後ギターは行方不明でしたが、実は1969年には175ドル(275ドルという報道もあり)で現在の所有者の手に渡っていました。わかっているのはその前の所有者がサンディエゴの楽器店で買ったというところまでで、ジョンの次に誰がどのように入手したかは不明です。
ギター雑誌「Guitar Aficionado」2012年春号のジョージ・ハリスン特集を読んだ所有者が自分のギターがそれである可能性に気づき、Andy Babiuk(「The Beatles Gear」の著者。今回の発見により同書は今月改訂)に鑑定を依頼したところ2014年8月にお墨付きをもらったという経緯です。
きっかけとなった雑誌
ビートルズ関連お宝出品でここ数年おなじみのジュリアンズ・オークション「Icons and Idols 2015: Rock n' Roll」(2015年11月6日~7日)に出品されました。
Lot 278 of 321:**JOHN LENNON GIBSON J-160E (Julien's Auctions)

以下オークション直前の主催者インタビュー、出品時の所有者、鑑定したAndy Babiuk、実際のギターを演奏する様子などの映像です。

3億円の価値はあると思いますが、ジョンのもとから無くなった理由が窃盗だったとしたら、権利関係がどうなるのか気がかりです。オークションの主催者によると、収益の半分はジョンとオノ・ヨーコが設立したチャリティー財団に寄付されるとのことですが、それで手打ちにするんでしょうか。どうやら収益をオノ・ヨーコと折半して、オノ・ヨーコがそれを自身の財団に寄付するということのようです。

<出品が発表された当時の報道>

なお、厳密には史上最高落札額を記録したギターはイギリスを中心としたロックミュージシャンたちがサインを寄せ書きしたストラトキャスターで、2005年のチャリティオークションで270万ドルで落札されています。


今回のオークションではリンゴ・スターが1964年のビートルズ初訪米時にバスドラムに装着していたThe Beatlesロゴ入りヘッドが出品され、こちらも2,050,000米ドル(約2億6千万円)の高値で落札されています。
落札したのはインディアナポリス・コルツのオーナー、ジム・アーセイでした。彼は既にビートルズ使用ギターを3本所有していますが(ジョージのギブソンSG、ヴォックスKensingtonジョンのグレッチ6120)、今回のJ-160Eは落札できなかったそうです。 誰が見ても価値がわかるドラムヘッドを優先したとのこと。
Colts owner Jim Irsay spent $2.125 million on a Beatles drum head (The Washington Post)

 Lot 321 of 321: **THE BEATLES 1964 ED SULLIVAN SHOW DRUM HEAD (Julien's Auctions)

7つある「ドロップT」ロゴヘッドの2代目となります。文字が一際太いのが特徴です。7つのうち唯一ビートルズのアルバムジャケットに登場しています(「Beatles for Sale」やアメリカ編集盤)。初代はポール・マッカートニーが所有しているそうです。

高価過ぎる気もしますが、エド・サリヴァンショー出演時にも装着していたということで歴史的価値が評価されたのだと思います。

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